レコーディング後悔日誌#069

絶望に目を伏せている、嘘をついてる自分に気づいたときに辛くなるのであります。あらゆる局面での絶望を素直に音楽に落とし込めていないのは恥ずかしさの極地でありますから、今もその嘘を探すようにレコーディングされた音源を聴きながら自分と向き合う日々であります。嘘を見つけたらコロコロでくるっと掃除、目を覆いたくなるほどに張り付いた不気味な嘘、いやほとんどバレバレなのでこれは丸ごと捨ててしまえ、いやいやここはもったいない使えそうだとか、汚職の隠蔽でもしてるかのような、はたまた整形手術でもしてるかのようなミックス作業をするのは虚栄心を満たすどころか単に自信を損ねるだけでしかなくて気が引けるのであります。等身大を認めるところからやり直そう。他人の評価なんて曖昧なものにすがってないで。とある曲はバンドで録りはじめ、何度も足し引きしてこねくり回してるうちに、自分の虚偽が見えてきて恥ずかしさ70点超え。今はバンドのアンサンブルよりも個人の孤独がちゃんといてくれるものを愛していたいのです。そうでなければ意味がないのです。震災後、怒りを放り投げたり、人に親切にしようとして空回りしたり、そんなこともようやく体を成してきてゴールまであと少し。矢を放てば自分に突き刺さるだけの孤独なゲームをやってる暇人。それでいいのであります。いいかげん自分自身を笑い者にするのはもうやめよう。ゲームセット。

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