テリー先生

恩師の訃報。まだギターを始めて数年の中学1年生のとき、初めて作ったオリジナル曲を一番最初に聴いてもらったのがテリー先生でした。誰もいない放課後の職員室で、とても恥ずかしかったけどそれ以上に自分が作った歌詞を先生にどう受けとめてもらえるのかが知りたくてしょうがなくて勇気を出して聴いてもらった。そこまで心開けていたということは当時のぼくは先生のことを相当信頼していたんだと思う。先生の担当科目は英語で、ビートルズのイエスタデーを生徒に茶化されながらも真面目に弾き語りしてくれたり、授業は楽しかった印象しかない。若くして飯田龍太に師事し、俳人としても有名で詩人でもあった。当時ぼくが大好きだった友部正人の話をするとうれしそうに友部さんとのエピソードを話してくれた。他の先生達とは一風違って優しいのだけど、言葉というものには狂うくらい情熱を注いでるといった印象だった。つい3日前、偶然にも家の本棚を整理していたら当時先生からいただいた先生の詩集が出てきた。もう20年以上本棚にしまわれているけど当時のぼくには難解すぎてあまり開くことはなかった。先生には家族はなく、たった一人で癌と戦っていたのだという。まだ50代。明るい印象だった先生の闘病している姿が卒業以来一度も会ってないぼくにはうまく想像できなかった。ただ亡くなる間際まで俳句や詩を熱心に捻り出していたんじゃないかという気がする。当時の先生と同じくらいの年齢になった今、もう一度この詩集を読み返してみようと思う。もしかしたら今なら理解できる部分もあるかもしれないし、何かメッセージが潜んでいるかもしれない。

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