久しぶりに楽器屋さん巡り。とある楽器屋さんで「電子ドラムを叩かせてください」というサラリーマン風な男性客に中年のベテラン風な店員さんが接客。まずドラムの経験を問い、全く初めてと聞くと一から懇切丁寧にドラムというものは…と熱意たっぷりに説明をはじめた。近くでマラカスやボーランを見ていたぼくはその話につい引き込まれ、ドラムという楽器の奥深さと店員さんのドラムに対する愛を感じ、密かに聞き耳を立てていた。店員さん「なぜドラムを始めようと思ったんですか?」男性客「YouTubeの動画でちょっと音を入れようと思って」。会話からおそらくその男性客は本格的にドラムをはじめたい訳ではなさそう。それでも店員さんは一切めげることなくドラムという楽器の魅力やメソッド、スティックの持ち方から姿勢までを丁寧に説明し、電子ドラムを試奏するまでに15分くらいの時間を要していた。こういう熱心な店員さん久しぶりに見たなぁ。何にでも奥義というものがあって、店員さんはそこを無視できないといか、それを大切にしてきたからこそドラムの魅力に辿り着いた経験があるのだろう。その男性客がどう思ったかはわからないけど、ぼくは初めてギターを人に教わったときの感覚を思い出した。子供の頃、楽器ってどれも格式高く思えていた、それは今も変わらないはずなのに。例え電子ドラムでも丁寧に向かえば響きは変わるんだろう。今更ながらぼくも楽器と向かい合うことをいっかいいっかい大切にしなくちゃ、そんなことを思いながらようやく試奏をはじめられた男性客の電子ドラム音を聴きながら店を出ました。