町田タロー庵にて

昨夜は町田純手打ちうどんタロー庵にてワンマンライブでした。午後3時、前日に前座を名乗り出てくれた真黒毛ぼっくすの大槻さんと新宿ベルクで待ち合わせ。すでに飲んで待っておられた。一度目の乾杯を終え、麦わら帽子のふたりは夏休み気分で小田急線にて町田へ。午前中に古いアルバムを断捨離したという大槻さんは、ご両親や弟さんと写っている幼少期の写真を車中スマホで何枚か見せてくれた。おそらく50年近く前の写真だろう。いまに繋がる面影が残っていて、そのどれもがいい写真だった。捨ててしまうのはもったいない。
午後5時、町田に到着し、タロー庵が開くまで再び酒場(某チェーン)でニ度目の乾杯。店員の態度がいけすかなかった。対応がすべて最悪。ライブ前に気分を害されたのが僕はたまらなく嫌だったが、大槻さんはどこか飄々としていた。うまく受け流してるのか、たいして気にならなかったのか、酒があれば満足だったのかわからないが、そんなところにちょっとした救いと学びを感じていた。
タロー庵店主とは25年の付き合い。昔は歌も歌っていたし、詩も書いていた。何人かが合同になっていっしょに詩集を出したこともある。今はうどん一筋。1年半振りに来たら内装も変わり、妖艶な雰囲気で少し広く綺麗になっていた。再会がうれしい。
真黒毛ぼっくすは大槻ヒロノリと広瀬波子の2人編成。ギターは僕のをお貸しした。リハーサル後、再びひとりで飲みに行った大槻さんは40分後、泥酔になって帰ってきた。僕は大酒飲みではないので、ライブ前にこれだけのお酒を飲む大槻さんを少し心配しつつもどこか頼もしく思いながら開演を待っていた。スタイルは人それぞれ。
突然のワンマンにも関わらずいろんな人が集まってくれた。ありがたい。暑い中、東京の外れの町田まで。真黒毛ぼっくすは30分のステージ。代表曲を中心に新曲からカバーまで。特によかったのが去年の夏に書いたという新曲。タイトル失念。コロナ禍のことをさらっと歌にしてるところに才覚を感じた。今の時代を切り取った名曲かもしれない。酔っ払いの歌い回しで聞き取れないところも多々あったけど、それも悪くはなかった。
雨宮弘哲と広瀬波子は1時間以上演らせていただいたのではないだろうか。最近、カバーさせてもらってる真黒毛ぼっくすの「酔いどれ東京ダンスミュージック」を本人の前で歌える機会に恵まれたので、真黒毛が本番でオリジナル版を演ったにも関わらず、これは演ろうと決めていた。演奏を始めるとそれまで客席で俯いていた大槻さんが突然目を覚まし、酔いどれコーラスを楽しそうに歌っていた、、、その光景が忘れられない。珍しく写真まで撮っていた(写真参照)。お客さんもみんなコーラスで参加してくれた。この日一番のライブらしい瞬間だったと思う。終演後に大槻さんからお礼を言われたけど、こちらこそという感じ。何回も言うように僕は酒飲みではないけれど、自分の歌のようにこの歌を歌わせてもらいました。そして最後の曲のエンディングでこの日、出ずっぱりだったギターの弦が2本切れる。こういうときにサポートの腕の見せどころ。ティンホイッスルの小刻みでアップテンポなフレーズが会場全体を包んでいた。セットリストを決めないままのワンマンで、きれっきれの演奏でついてきてくれた広瀬波子氏に感謝。アンコールには応えられなかったけど、無事終演となった。また演ろう。いくつかの邂逅が重なった夜。ワンマン、やってよかった。うどんを啜り、赤星を飲み、酔っ払いの大槻さんの手を引いて、終電間際に町田を後にした。後からたくさんの写真が送られてきた。いつか断捨離されるであろうが、楽しかったときを楽しかったうちに、写真はそのまま載せます。町田タロー庵で関わってくれた人、ありがとうございました。

2023.8.18町田純手打ちうどんタロー庵
ワンマンセットリスト

1 Sheebeg,Sheemore
2 Down By The Salley Gardens
3 やまなし帰省のうた
4 歌を探してる
5 The Keel Row
6 John Ryan’s Polka〜The Rakes of Mallow
7 酔いどれ東京ダンスミュージック(真黒毛ぼっくす)
8 永遠
9 Eleanor Plunkett
10 歌星
11 戯言くん

Vocal,Guitar,Harmonica 雨宮弘哲
Sax,Tin whistle,Ocarina 広瀬波子

Special thanks 大槻ヒロノリ、町田タロー庵