虎と龍のはなし

7/18の雨宮企画『銀幕の虎 vol.3 〜虎と龍〜』〈龍之介×雨宮弘哲ツーマンライブ〉で共演する龍之介さん。出会いはもう8年以上さかのぼります。ぼくはその頃、デビューしたばかりのユニットを解散してしまったり、レーベルを離れたり、いろんなことがふりだしに戻ってしまった時期でした。そして再び一人で音楽をしていくのもどこか限界を感じていて、なんとも消極的なことが自分の周りに蔓延していたときに、出会えたのが龍之介さんでした。龍之介さんはその頃、レコード会社を離れ、たったひとりで独立した自分の道を切り拓いていこうと邁進していました。その姿は、ひとりでくすぶっていたぼくにとって大きな希望でした。見事に自主レーベルからアルバムをリリースし、レコ発ライブも大盛況。人を頼る前に、まずは誰も頼らない自分でどこまで出来るのか、ぼくもそれをとことん試してみたくなりました。それは絶望にふて腐れてあまえてばかりいた自分を奮い立たせてくれるような存在だったと今想い返してもそう思います。ひとりも悪くないな、や、それはとことんやりがいのあることかもしれない。それからぼくは20代の終わりに自主制作で初のソロアルバム『海を見たいと思った』をリリースするに至りました。苦しくもあったけど、それは今でもぼくの財産みたいな体験として胸に刻まれています。それから数年後、龍之介さんの企画で初共演、さらにそれから3年半がたち、今回はぼくのほうから声をかけさせてもらい、再び共演が実現することになりました。今でも自分の道を行く龍之介さんを横目に、ぼくはぼくの歩いているぼこぼこ道を、畑を耕すように歌っています。歩き方、ペースはそれぞれ違うけれど、龍之介さんも龍之介さんの切り拓いてきた道を、花を咲かせるように歌っているんだと思います。まだまだ道の途中ですが、再び同じ場所で歌えることがぼくには喜びであり、希望なんだと思っています。虎と龍のツーマンライブ、精一杯歌います。ぜひ来てください。