銀幕の虎8を終えて

平井さんは何とも素晴らしいロックンローラーだった。自分の力で自分や周りを耕していくようなステージ。地に足がちゃんと着いていながら、魂は丸裸で、誰かに決められた枠を簡単に超えて自由に飛び回っていた。そこにはロックンロールで一人立ちしてる人の気合と情熱がポジティブに渦巻いていて、心から楽しめるショーに見事に昇華していた。学ぶこと多し。事前に「対決」と謳っておきながらすでにロックンロールに平伏していたぼくは、自分を見失わないようにするだけで精一杯だった。もう戦意も何も無かった。今まで裸になって暴れたり歌を放棄したり無茶苦茶なライブをたくさんしてきたけど、ライブ中は無駄口を叩かず、ふざけず、自分の歌を伝えることから逸れないように心がけた(最後のセッションでは気が抜けてしまって演奏上迷惑をかけたけど…)。兎にも角にも自分にとっては刺激の多いライブで、貴重な体験ばかりさせてもらった。こんなに沢山のお客さんが来てくれたのも考えてみたらこの20年で初めての体験だったし、改めて遠くから集まってきてくれたお客さん(青森、千葉、横浜、埼玉など)に心から感謝したい。そして熊本からはるばる歌いに来てくれた平井正也さんに感謝とリスペクトを。完全燃焼ってのはどんなものかロックンロールからおそわったし、自分にもまだ燃やせる魂が残っていることにも気がつけた夜。音楽はかっこつけずにもっと素直にやりたいって思いました。