湘南国際マラソン、3時間46分で完走。

午前4時40分起床。朝食を食べ、膝にテーピングを接し、夜明け前のまっ暗な空の下、ひとりランニングシューズを背負って、会場である湘南へと向かう。
会場はものすごい人でごった返していて、トイレに行くのですら20分待つくらいだった。なにがどこにあるかもよくわからず、アップしようと思ったらなぜか鼻血がでるし、時間は迫るし、あっという間にスタート時刻。けれど焦ることはなく、静かに自分を信じているような気持ちだった。初のフルマラソン(42.195キロ)。いくつかの不安要素よりも、ただいつものように走ればいいんだと、快晴の空の下、ゆっくりとスタートした。けれどもあまりに人が多過ぎて(1万7千人のランナーが一斉にスタート)一向に前に進んで行かない。僕は列のほぼ最後尾にいた。やっとスタート地点に立てたのはスタートして7、8分後だった。なんとか遅れを取り戻して前に出ようと、人込みを抜けるまでやや飛ばしながら走った。けれどどこまで走っても人、人、人。何千人かを抜いて、気がつくと僕は5キロ23分台のラップで走っていた。速すぎる。ちょっとでもガタがきたらペースを落とすつもりだったけど、まったく調子を崩すことなく折り返しを過ぎ、20キロ地点まではそのペースで走り続けた。1キロのラップは4分40秒。ハーフにしても自己ベストの記録だった。こんなに軽快に走れたのは自分でも驚きだった。このまま行けば4時間どころか3時間半も切れるかんじゃないか。そんな思い上がりを何度か抱いたのだけれど、そうは簡単にいかず。25キロを過ぎたあたりから緩やかにペースは落ちていった。なんとか30キロ地点を2時間30分ジャストで通過。心配してた膝は全く痛み出さなかった。ただ脚が少しずつ重くなっていって、この辺りからズルズルと追い抜かれ始めた。31キロあたりだったか、振り向くと後ろにアイドルタレントの安田美沙子が走ってた。あー、せめてこの人について行こう。太ももはいかれ始めてたけど、苦し紛れに僕はアイドルタレントの真横に並んで走った。ヘンな絵だ。けどこっちは必死。たぶん向こうも。僕は人と競ってるつもりはなかったけどこのときはもう負けん気で走ってた。追いついたり、追い越こされたりを繰り返しながら。けれど脚の辛さに負けて結局僕は追い抜かれてしまった。情けない。その時、1キロのラップは6分30秒にまで落ちていた。完全に失走。前半のマージンがあるとはいえ、これ以上崩れたら4時間切りも危うくなってくる。自分を騙しながら励ましながら、なんとか走り続けた。「あと5キロだぞー!」と道路脇からの声が聞こえた。けれどこの5キロが僕にとってあまりにキツく長かった。ただ歩くのだけは嫌だった。のろのろだったけれどどうにか走り続けた。最後はもう根性とか気力だけで走ってた。残り2キロ地点で、この人に着いてけば4時間切れますよ的なペースランナーで、元マラソン選手の金哲彦さんを前方に発見した。もう彼に着いていくしかない。けど決して早くはないのにどうにも追いつけない。両脚はもうパンパンだった。あっという間に見失ってしまった。道路脇で応援してくれるたくさんの人たちの「がんばれ〜!!」の声援に何度も励まされた。ここにくるとそんな言葉がやたら胸に染みる。残り300メートル。ふたたび前方にペースランナーの金哲彦さんの姿が見えた。そして追いついた。すれ違ったときに金さんが「おめでとう!4時間切れるよー!」と笑顔でハイタッチをしてくれた瞬間、涙腺崩壊。これまで来る日も来る日もいそいそとひとりでトレーニングしてきたことが急に頭の中に蘇り、泣けてきてしかたなかった。もう脚はぼろぼろだったけど、そこからラストスパートをかけた。ネットタイム3時間46分。僕は4時間を切ってゴールすることが出来た。ひとり涙をこらえながらよろこびを噛みしめた。ただ不器用に走ることしか出来なかったけど、そんな結果としてひとつの目標を達成することが出来た。おつかれさま。自分に。たたかいは終わって、帰りのバスからぼんやり海を眺めた。湘南の海は穏やかで、夕陽にやさしく照らされていたよ。

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真っ赤な秘策

5キロを30分のペースで走れば、40キロでちょうど4時間。
5キロを28分のペースで、やっとフルマラソンで4時間を切れる計算になる。
ぼくは30キロまでなら5キロを28分ペースで走り続けることができた。
けれど後半ペースダウンも考慮すると、4時間以内で走りきれるかは微妙なところ。
その前に膝が壊れる可能性もある。それとスタミナ不足に陥る可能性もある…

あーもうあれこれ考えるのは止めた。
目標は「4時間切り」だけど
もう充分トレーニングしてきたし
後は野となれ山となれ。
ただ走ればいい。

レース用に真っ赤なウェアを買った。
これを着るとなんだか気持ちがワクワクする。
心が燃えてどこまでも走れるような気がする。
頭の悪い子供みたいだけど
もうなんかそんなんでいい。
走ることはシンプル。
ただ走ればいい。

遠足気分でリュックに必要なものを詰めて
明日は朝5時台の電車で湘南へ向かいます。
もう寝ます。

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謹賀新年

今年もよろしくお願いします。
年明け一発目のライブは、、
2011年1月21(金) 下北沢 LOFT
『下北沢フォーク村』vol,5
詳細はlive

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